カテゴリー別アーカイブ: アウトドアスポーツの問題点

思いついたアウトドアスポーツの問題についてまとめました。

アウトドアスポーツの問題点6 習得期間の長さ

 アウトドアスポーツの問題点の一つとして、習得期間が長いということが挙げられる。この問題は、スポーツの中でもアウトドアスポーツ特有のものかも知れない。

 例えば、ハンググライダーは山飛びまでおよそ15日必要で、インストラクターがかかりきりで、見ていなくてはならない。およそ15日ぐらいで山飛び出来るようになるが、まだ無線での指導が必須であり、ひとり立ちできるようになるには、更に10日ほどかかる。

 しかし考えてみると、野球でもきちんと打てるようになるには多くの練習量が必要となる。野球やサッカーは競技人口が多いので、ふれる機会が多く、教えてくれる人も多いので、結果として、沢山の練習時間がかかっても、さほど多くの時間を費やしているように感じないのかもしれない。習得時間が長いというのも見かけ上であり、実際はどのスポーツでも習熟するにはそれなりの時間がかかると思う。

 習得期間の問題も手軽にできるスポーツを提供することで解決できるのではないかと思う。ハンググライダーの15日に対して、パラグライダーは5日ほどで山飛びが出来るようになる。クルーザーヨットの習得には長い時間が必要だが、アクセスディンギーという小型ヨットならば、半日~1日で操作できるように楽しめるのだ。だから、スポーツを狭く限定するのではなく、手軽に楽しめる形で提供できれば、習得期間の問題も解決できると思う。

 将来的には、習得期間の問題も、競技人口が増えれば、結果として指導者も増え、習得時間が長いという感覚がなくなり、野球・サッカーなどメジャースポーツの水準になり、問題自体が自然消滅するのではないかと思う。

関連記事

アウトドアスポーツの問題点5 生涯スポーツとしてデザインされていない – スピード冒険野郎の操縦席

アウトドアスポーツの問題点7 危険性の高さ、保険制度が不十分

 アウトドアスポーツは野外での活動なので、リスクがつき物だ。アウトドアスポーツ、特に乗り物系のものは、人間の体よりも大きいものを高速で動かすので、やはり危険が多いと思う。野外での活動で自然を相手にしているので、予想がつきにくい。

 カーレースのサーキット場やスキー場ではレスキュー隊が待機していて、怪我人がいないか、常時監視をしている。アウトドアスポーツは、道具を使ってスピードを 出したり、危険性のあることをする傾向があるので、そのリスクを軽減するために余計に人員が必要になってくるのかもしれない。

 ハンググライダーは、危険だそうで、保険会社も保険を適用してくれないので、初心者でも機体を購入しなければならないようになっている。しかし、パラグライダーは違っていて、保険の適用があるので、初心者は山飛びのときに機体を買う必要は無く、レンタル機体で空を飛ぶことが出来る。

 だが、本当に危険性が高いのだろうか。確かに、フォーミュラカーは一歩間違えると大事故になってしまい、車も壊れることが多い。しかしながら、それも人によって事故率は変わり、あまり壊さないこともいるし、すぐに壊してしまう人もいる。

 グーグル検索で「ハンググライダー」や「ボブスレー」という検索をすると、トップに出てくるのは、それらのスポーツでの死亡事故だ。事故が稀なので、死亡事故が起こるとマスコミが騒ぎ立てるので、危険なスポーツのイメージが出来上がっているのではないか。飛行機事故と同じで確率的には低く、自動車事故の方が危険なのに、一旦飛行機事故が起こると多くの人が犠牲になるので、印象的には危険なイメージが付きまとってしまうのだ。おそらく、アウトドアスポーツも同じような固定概念が根付いてしまったのではなかろうか。

 野球やサッカーでも油断をすると大事故になるし、大怪我をする場合がある。むしろ、アウトドアスポーツの関係者は危険性を良く承知しているので、野球やサッカーの関係者より危険に対してよく注意をしているように感じる。

 それから、保険会社も危険なスポーツから逃げるのではなく、適切なリスクをとって、現状に即した保険制度を作り上げてほしいと思う。そもそも、保険会社に要求するのではなく、我々スポーツ関係者がどのような保険制度が欲しいのかを提案していかなければならないと思う。

関連記事

アウトドアスポーツの問題点6 習得期間の長さ – スピード冒険野郎の操縦席

アウトドアスポーツの問題点1 会員制は広い顧客層を排除してしまう

 これから、私が一年間のアウトドアスポーツでの経験を通して感じてきたことを書いていこうと思う。あくまで、アウトドアスポーツ業界の外の人間として感じたことなので、正しいとか間違っているかとではなく、なるべく事実に即して述べて行きたいと思う。

 

会員制

 アウトドアスポーツでは会員制が一般になっている。ゴルフなどでは、やたらと高い会員券がまかり通っている。今では改善されているかもしれないが。これはバブル時代の社会的ステータスシンボルになっていたのだろう。ただボールを棒で打つだけなのに高い会員券を取るのは納得がいかない。お金が無くても才能のある人を排除してしまう結果になっている。

 クラブ側としては客を囲い込み、一定の収入を見込めるためにそのような制度を採り続けているのだろう。たしかに会員特典があってそれも魅力だが、会員になってまでやる価値があるのかどうか、私のような貧乏人には二の足を踏んでしまい、結局、考えるのが面倒くさいので、そのスポーツはやらないという選択肢を選んでしまう。一回しかやらない顧客ややってみようと思う顧客を逃すシステムになってはいないだろうか。

 ただし、会員制は保険制度などもリンクしており、いきなり廃止することもできないという事情もあるだろう。だが、保険制度が本当の問題であるならば、保険制度自体を変える努力が必要だと思う。

 会員制は、顧客へのかなりのスポーツをやり続けるモチベーションを要求するシステムだ。果たして、今の時代に顧客にその様なモチベーションの高さを要求することが可能なのだろうか。

関連記事

アウトドアスポーツの問題点2 道具や機体が高額 – スピード冒険野郎の操縦席

アウトドアスポーツの問題点3 競技志向からレジャー志向へ – スピード冒険野郎の操縦席

アウトドアスポーツの問題点2 道具や機体が高額

 一般にスポーツには道具やウェア等にお金がかかるが、特に乗り物系のアウトドアスポーツはお金がかかりすぎる。スキーでもブーツだけでも数万円、板でも数万円、ウェアに数万円かかっていしまう。ハンググライダーは新品だと50万円、一番下のカテゴリーのフォーミュラーカーは200万円(意外と安いかも)、ヨットだと上は何千万円から億単位になってしまう。結局のところ、これらのスポーツをやるためには自分で買うだけの余裕が無ければならず、ヨットなどはエリートの遊びと思われている。

 つまり、これらのアウトドアスポーツは機体などを顧客が自分で買うことを前提として成り立っている。私も何度かスキーやカヤックなどのインストラクターをやろうとしたが、かならず言われるのは当然道具や乗り物は持っているのが当然だと何度も言われた。結局、拝み倒したり、交渉することによって最低限の道具の購入でインストラクターの仕事をすることができた。結局、やってみると道具にこだわらなければ、日数をこなしてスポーツに慣れていくだけなので、道具が無いということでスポーツをやる道を閉ざすのはあまりにもったいないと思う。普通にスポーツをやりたい人に私のようにスポーツクラブ運営者に交渉するのはあまりお勧めではないし、そんなにモチベーションを要求することもできないだろう。

 アウトドアスポーツをやってきた人達は購入するのが当たり前と意識でやってきた。だから、常にモデルチェンジをして、スポーツ雑誌も購買意欲を刺激するのだ。スポーツグッズの会社にとってもものが売れるば儲かるのだから、そのように毎年買ってくれる人たちを歓迎し、実際そのような人々がスポーツ業界を支えているのだった。

 しかし、今のように大量生産、大量消費式の資本主義に疑問が投げかけられる時代に今までのように新しい道具をもとめてスポーツをやるというやり方が通用するだろうか。

 最近、フォーミュラーカーをやる人が減って困ってきたという話を聞いた。バブル時代には掃いていて捨てるほどレースカーに乗りたい若者が来ていて、オーディションでランク付けをして入会を許可していたそうだ。しかし、今では応募者も少なくなり、オーディションとは名ばかりで、運動神経が悪く大怪我の危険のある人のみを排除するためだけにオーディションを行なっているようだ。あるレースチームは、レースカーを購入させるのではなく、契約でレンタルするという方法を取った。私が会った若者は他にもオーディションを受けたが、こちらの方がレースカーがレンタルなので、他を蹴ってこちらのチームに所属することにしたと言った。そのレースチームの社長もバブル時代は何をやっても儲かったのに、今は続けるだけで精一杯だと話していた。

 リゾナーレでは、宿泊者にはスキーウェア、スキー一式を無料レンタルというやり方を始めている。わたしも利用したが、特に家族連れだと人数分のレンタル代がかかるので非常にうれしいサービスだ。

 アウトドアスポーツ業界を復活させるためには、もっとレンタルやシェアの制度を取り入れて、広い層の顧客を掴む必要があるように思う。

関連記事

アウトドアスポーツの問題点1 会員制は広い顧客層を排除してしまう – スピード冒険野郎の操縦席

アウトドアスポーツの問題点3 競技志向からレジャー志向へ – スピード冒険野郎の操縦席

アウトドアスポーツの問題点3 競技志向からレジャー志向へ

 日本のスポーツは元々競技を目指して作られてきた。だから、勝ち負けにこだわり、そのためのスポ根が流行ったのだと思う。だが、時代が変わって、スポ根が流行らなくなった。時代が変わったのに関係者の意識は変わらずに、相変わらずスポ根を続けてきた。

 競技志向でスポーツ業界が作られてきたため、有名選手や大会で記録を残した選手のみが祭り上げられるという体質ができた。有名選手などを売りにスポーツ事業が行なわれてきたが、必ずしも運営がうまく行ってきたとは言いがたい。競技での一流選手が必ずしも指導や運営で一流とは言えないからだ。中には、天から競技能力と指導力という二物を与えられた選手もいるが、それは稀であり、一般の選手にそれを求めるは筋違いである。

 しかしながら、スポーツ業界では、一流選手が教えれば、一流に成れると信じている人が多い。このことはスポーツ業界に限ったことではなく、大学教授や研究者の世界も同じである。皆、ノーベル賞受賞者をもてはやすが、必ずしも一流の学者が一流の教師とは限らない。

 スポーツ業界の人々は、スポーツをやる際に道具を購入してプレーするのが当たり前だと思っている。自分たちが競技大会のために新しい道具をそろえて、大会に臨むのが当たり前だったので、初心者に対しても同じように道具をそろえることを要求してしまうのである。果たして、その要求は妥当だろうか。お試しでやりたい顧客が何万、何十万円もやり続けるかどうかわからないスポーツにお金を出すだろうか。顧客には他にもいろいろな遊ぶ方法があるのにそんなにお金を出せるだろうか。子供だったら、成長に合わせて、ウェアも頻繁に買い換えなければならない。それを賄うには、余程のモチベーションが必要であろう。

 スポーツ業界は競技志向になっているので、業界に残るには、大会で良い成績を残さなければならないという雰囲気が漂っている。実際、フォーミュラカーのドライバーになるためには、より良い成績を残さなければ、サポートも受けられず、全て自費で賄わなければならないので、レースで優勝し続けなければ、ドライバーとして続けていくことは難しいようだ。

 私は先日、長野スパイラルで、ボブスレー、リュージュ、スケレトンの体験をしてきた。その体験は素晴らしいものだった。しかしながら、それらのウィンタースポーツ業界の運営は危機に陥っているようだ。長野スパイラルの運営は資金不足で、オリンピックでメダルを取れなければ、長野スパイラルを閉鎖せざるを得ない状況にあるらしい。そのプレッシャーがあってか、連盟の人達は、若い人たち、特に子供がリュージュなどをやってほしいという感じであった。私のようなピークを過ぎた大人はやってもやらなくてもどちらでもいいという雰囲気だった。ソリというウィンタースポーツ人口が激減していて、競技者の裾野を広げなくてはならないのに、さらに門戸を閉ざしてどうするのか。メダル重視という政府の政策がこの業界の関係者に歪みを引き起こさせていると感じた。

 とにかく、競技志向がもたらす弊害は枚挙にいとまが無い。競技志向、ヒーロー志向から現在のスポーツ業界ができたのは、事実ではあるが、これからレジャーなどの多様な志向性を目指して運営していく必要があると思う。

関連記事

アウトドアスポーツの問題点1 会員制は広い顧客層を排除してしまう – スピード冒険野郎の操縦席

アウトドアスポーツの問題点2 道具や機体が高額 – スピード冒険野郎の操縦席

アウトドアスポーツの問題点4 一般的認知度が低く、身内だけの閉鎖的社会

 アウトドアスポーツの各業界はかなり閉鎖的だ。

例えば、ヨットをやっている人は、親や知人がやっているか、偶然どこかでヨット部等に所属して、やり続けているというパターンしかないようだ。つまり、あまりにマイナーなスポーツなのだ。一版の人はヨットと出会う機会があまりに少ないので、やり始めるのは偶然の結果が多いのだ。

スキー業界でも、人材の流動性は少ない。スキースクールのインストラクターになるには、大抵の場合、コネで決まっている。大学生もインストラクターのアルバイトをするが、それもその大学のスキーサークルとスキースクールにコネがあるおかけで、学生たちはアルバイトの機会を得ることができるのだ。私の場合、インターネットでインストラクターの募集情報を見て、応募したが、私のようなケースは例外だそうだ。だから、コネなしでやってくると他のインストラクターに変な顔をされてしまう。誰もが誰かの紹介なのだ。人材の流れはコネでのみつながっている。

プロ野球などでも、球団の運営員はオーナー会社から出向されると聞いている。トヨタのレースチームのレーサーやチームスタッフも社員から選ばれるそうだ。だから、トヨタチームのレーサーになるにはトヨタの社員になるのが必要条件らしい。

一般の人向けに、催し物を開くが、結局やってくるのは関係者の知人が大半である。本当に知ってもらいたい人には中々来てもらえないのが実情だ。そのスポーツを知っている人は知っているが、知らない人は知る術がない。そのスポーツの存在すら知らないのだ。実際、私自身もレースカーがモータースポーツというスポーツの一種であることも知らず、不良や金持ちの息子がやる自分とは全く関係の無い世界のものだと思っていた。私だけが例外ではないだろう。それぐらい、アウトドアスポーツについての一般人の認知度は低いと思う。

「ハンググライダー」や「ボブスレー」等の単語でグーグル検索をすると墜落死や激突死などの記事がトップに来る。スポーツでの死亡事故は交通事故に比べて少ないのに、危ないスポーツのイメージのみが先行しているのである。

これからのアウトドアスポーツは、このあまりにも低い認知度をいかに向上させ、一般の人々に楽しさを分かってもらうかというが重要な課題であると思う。

 

関連記事

アウトドアスポーツの問題点1 会員制は広い顧客層を排除してしまう – スピード冒険野郎の操縦席

アウトドアスポーツの問題点2 道具や機体が高額 – スピード冒険野郎の操縦席

アウトドアスポーツの問題点3 競技志向からレジャー志向へ – スピード冒険野郎の操縦席

アウトドアスポーツの問題点5 生涯スポーツとしてデザインされていない

 全般的に日本のスポーツは生涯スポーツとして定着していない。スポーツは子供や若い人がやるものだという思い込みが強い。確かに、競技で新記録を出したり、優勝するためには若い方がいいだろう。しかし、スポーツの目的は新記録や優勝だけではないはずだ。大人になってからでもやりたいと思う人は多いはずだ。

 ヨット業界では、今最も活気があるのは、A級ディンギーという小型ヨットだ。60歳~80歳の高齢者が中心となってレースを楽しんでいる。中には、自分でヨットを作る人までいるそうだ。

 これは私が目撃し、ブログにも書いたが、バイクのサーキット場では40代おじさんたちが頑張っている。おそらく、中高年のおじさんたちは私と同じく、小学生の頃のスーパーカーブーム等を経験し、お金や時間の余裕ができたため、子供の頃からの夢のカーレースに挑戦しているのではないかと思う。

 しかも最近、どんな大型バイクもライセンスを取れば、日本で乗れるようになってきた。そのためか、若年層の車離れにも関わらず、中高年層のバイクに乗る人口が増加しつつあるとのことだ。

 人々にはスポーツをやりたいという気持ちがあるのに、その気持ちにスポーツ業界が適切に対応できていない気がする。その欲求や情熱を摘み取るのではなく、規制緩和などをして、活性化の種を育てていく気持ちが必要であると思う。

関連記事

アウトドアスポーツの問題点4 一般的認知度が低く、身内だけの閉鎖的社会 – スピード冒険野郎の操縦席