野村監督の守りを基本にした野球道

 プロ野球の野村監督の「野村の眼 弱者の戦い」を読んで、選手をどのように育てていく野村監督の視点が良く分かった。

 私自身、高校で硬式野球をやっていたので、選手の実力の差が大きいかを分かっているつもりだ。しかし、万年最下位のヤクルトが巨人の様に優秀な選手がそろっているチームに勝ち、優勝したのは信じられなかった。だから、野村監督の魔法を知りたいと思った。

 本書で、野村監督は、「野球の基本は守りだ」と主張する。打撃(攻撃)こそ勝つ秘訣だという我々の常識と反対だ。しかし、孫子兵法第四形篇でも「孫子曰く、昔えの善く戦うものは、先ず勝つべからざるを為して、以って敵の勝つべきを待つ」とある。つまり、古代の巧みに戦う者は、まず敵軍が自軍を攻撃しても勝つことのできない態勢を作り上げた上で、敵軍が態勢をくずして、自軍が勝てる体制になるのを待ち受けた、という意味である。孫子兵法でも、実は攻めるようよりも守ることを重要視している。この点は、西欧兵法の元になった「敵兵力の殲滅こそ戦争の基本形態である」とするクラウゼウィッツの「戦争論」と真っ向から対立している。

 それから、野村監督は、人間観察が得意で選手の性質を見抜くように努め、適材適所を勧めている。プロ野球でも会社と同じく選手の適性をみつけ、しかるべきポジションに置くことが、選手が能力を発揮できるので、選手自身だけではなく、チームのためにもなる。野村監督は、何度も選手の適材適所に失敗したので、選手を受け入れるときは、ポジションを白紙状態で考え直すそうだ。このことは企業も見習うべきやり方だ。

 とにかく、弱い駒しかもっていないのに、勝てる技術を持つ野村監督は、本当に超一流の指導者であると思う。

参考文献

野村の「眼」 弱者の戦い

孫子 (中国の古典) 浅野祐一

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